みらい翻訳は10月17日、特許翻訳に特化したAI自動翻訳モデルを発売した。
同社によると、グローバル化を背景に日本企業の外国特許出願数は増加を続け、特許文書の翻訳需要が高まりを見せていることから、自動翻訳の活用を求める声が挙げられていた。しかし、特許文書には独特の書式や表現、ルールがあり、高度に専門的な翻訳スキルが必要となる。そのため、従来の汎用型モデルでは、自動翻訳後の人手による修正コストが高く、効率化が期待できないことから、実務導入が実現しない状態が長く続いてきたという。
一般に流通するAI翻訳サービスの中には、辞書の部分適用により分野対応をうたうサービスもあるが、翻訳モデルそのものに学習を施すには強力な技術と良質な学習データを膨大に必要とするという。そのため、実現可能なベンダーは限られているとみらい翻訳は述べる。
同社では、エンジン開発チームを社内に持つことで、2019年に製薬企業との共同プロジェクトにより製薬専門モデルを、2020年にアンダーソン・毛利・友常法律事務所と法務・財務モデルを開発している。この実績から得た知見を生かし、今回、特許文書翻訳に特化したモデルを開発したという。
開発に当たっては、日本電信電話(NTT)から特許コーパス3億文の提供を受けたという。このモデルは10月18日、同社自動翻訳サービス「Mirai Translator」の「ワード数定額プラン」および「FLaT」を契約するユーザに提供される。